自分の意思に反して尿がもれる状態を尿失禁と言います。
尿失禁にはいくつかのタイプがあります。
治療は上記のタイプにより異なるため正確な診断が必要です。
尿失禁の原因として、骨盤底の筋肉が弱り、膀胱や尿道をきちんと支えられなくなり、尿道括約筋がしっかり尿道を閉じられなくなることによって起こります。骨盤底筋が弱まる誘因として①妊娠・出産②肥満③加齢④更年期⑤荷重労働⑥便秘などがあり、女性の場合、①の妊娠出産が多くの誘因となっています。膀胱をささえる筋肉が弱っていることがあるので骨盤底筋体操が有用で、内服薬と併用で治療します。場合によっては手術が必要な場合もあります。
当院では治療機器「ウロマスター」を3台導入しており、それぞれの患者さんに合った指導を看護師が丁寧に行っております。
骨盤内にある子宮、膀胱、直腸は骨盤底にある骨盤底筋群により支えられています。この骨盤底筋群がゆるみ脱出した状態が骨盤臓器脱です。
症状としてはお風呂で洗っているときに陰部にピンポン玉みたいなのが触れる、会陰部の不快感、排尿困難、残尿感、尿失禁などがあります。骨盤臓器脱の治療は骨盤底筋を強くする骨盤底筋体操が有効です。
脱出の程度により手術が必要となることがあります。
腎臓、尿管、膀胱などの尿路に結石ができる疾患です。通常、腰痛や腹痛(さしこむ様な痛み)、血尿などがあらわれることが多く、小さな尿路結石ほど急激なさしこむ痛みがあります。大きな結石は痛みがないこともあるため、気が付かないうちに腎臓がダメージを受けて、腎機能が低下していることがあります。
痛みがないからといって排石したと考えるのは危険で、痛みがなくても必ず泌尿器科を受診し排石の有無を確認することも重要です。
尿に血液が混入した状態を血尿と言います。血尿には肉眼ではわからない血尿(顕微鏡的血尿)と目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)があります。
原因として、腎炎、尿路結石症、膀胱炎、尿路悪性腫瘍(腎臓癌・膀胱癌・前立腺癌)、前立腺肥大症など様々なものがあり、専門医による診察を受けられることをおすすめします。
当院では検査時の痛みが少ない軟性膀胱鏡を導入しており、膀胱癌の早期発見に努めています。
特にお年をめされた方の尿路症状(排尿時痛・頻尿)や腰痛・腹痛などのない肉眼的血尿は尿路悪性腫瘍の可能性もあり精密検査をおすすめ致します。
尿に蛋白が出ている状態を『蛋白尿』と言います。学校・職場の検診で発見されることも多いのですが、無症状のため放置されることが問題です。蛋白尿には運動等により出現する生理的蛋白尿と、何らかの腎疾患により出現する蛋白尿があります。前者は放置しておいても差しつかえありませんが、後者は治療の必要な場合があります。
なかには20~30年後に腎不全となり、血液透析や腎移植が必要な場合もあります。『蛋白尿』を指摘されたらできるだけ早い時期に、一度専門医を受診されることをおすすめ致します。